阿蘇グリーン・エコ・ツーリズムセンター事業係 メール ホームへ戻る
-牛乳がでるまで-

 さて、今回は牛が牛乳を出すまでの話をしたいと思います。
種付け(人工授精)をして妊娠しその後分娩を迎えた牛は、その日から搾乳が始まります。妊娠中は栄養価の高いエサを与えると母牛は太ってしまい運動不足になりうまく出産できなかったり、病気になったりしてしまうため栄養価を落とした牧草主体のエサを与えます。分娩した牛はその日から搾乳が始まるので牛乳を出すためにたくさんのエネルギーが必要になってきます。そのため牧草に加え栄養価の高い濃厚飼料を組み合わせます。それでは搾乳している牛は一体何kgぐらいの餌を食べるのでしょうか?

     
  栄養価を落とした牧草主体のエサ 濃厚飼料を組み合わせた牧草

 私たち酪農家はエサの話をするときに「乾物量」という物差しで話をします。「乾物量」とは水分が0%のカラカラの状態での量という意味です。我が家の牛は乾物量で24kgのエサを食べ、そのうちの半分が牧草です。これは生えているままの草だとおよそ100kgの草を食べたことになります。人間がご飯を茶碗いっぱい食べるとおよそ150gですので水分が80%と考えると、人間の場合「乾物量」だと30gしか食べたことにならないんですね。そして牛は水をたくさん飲みます。一日に50から100l、夏場の暑い時には200l近くも飲む牛もいます。つまり酪農家は牛に牛乳を出してもらうためにいつも新鮮なエサと水を大量に用意しなければならないのです。
   
水を飲む牛 新鮮なエサが大量に必要  

  牛の胃袋は4つあり、この中で一番大きな胃が第一胃で、約180lあります。これはドラム缶一本とほぼ同じでとにかくエサを溜め込むことが出来ます。これは、自然の世界では肉食動物に命を狙われているためとりあえずたくさん食べて安全なところに非難するために備わったものだと思います。ですので牛はエサをやるとあまり噛まずにとにかくがぶがぶ食べます。そしておなかいっぱいに食べた牛は、第一胃に入ったエサと唾液(だけでも一日に90〜180l)や水などと混ざり合ったものを、もう一度口の中に戻し噛んでさらに細かくします。これを“反芻”といい一日のうち6〜10時間はこの反芻に時間を費やします。牛舎に行くとゴロンと横になってエサを食べてるわけでもないのに口をもごもごと動かしているのはこの反芻を行っているのです。

  その後第2胃、第3胃でさらに細かくし第4胃で消化します。これで初めて牛乳を出すために栄養素の完成です。我が家では一日に1頭あたり約30kgの牛乳が出ます。我が家で最も牛乳を出してくれる牛は60kg以上牛乳が出ます。牛の体重は約600kgなので体重の一割を毎日出してくれるのです。たくさんのエサを食べたくさんの牛乳を出すということはたくさんの糞と尿を出します。たくさんの糞と尿はどうなるのか?それは次回はなしたいと思います。

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